シールド
シールドとは、ギターとアンプやエフェクターをつなぐ時に使用する配線です。
多くのメーカーから様々な種類、構造の製品が販売されています。
1.シールドの本質を知る
シールドの本質は
ギターからアンプに電気信号を伝える電線です。
シールドの理想は
電気信号が全く劣化しない製品です。
しかし念入りに絶縁されている
電信柱の電線でも実際は熱としてエネルギーを損失しているように、
音色の劣化も完全に防ぐ事はできません。
音楽の場合、
電線の太さ、使用する金属の種類、そして絶縁物質・絶縁方法によって「音色劣化の仕方」に違い(個性)が出てきます。
そして、シールドを知る上で
知っておきたい音楽の原理が「高音は損失されやすく。低音は残りやすい」という事です。
これは「通りすがった車から聞こえてくる音楽」や「隣の部屋から聞こえてくる音」等と同じ原理です。
高品質なシールドはギター本来の高音成分を極力そのままアンプに伝えてくれますが、
低品質なシールドは絶縁が不十分であるため音に張りがなくなってしまいます。
一度、失われてしまった音色(倍音成分)はアンプやエフェクターで元通りに修正する事はできません。
メーカーはそれを「低音が強調された」等の様々な宣伝文句を掲げていますが、
高音のカットはアンプ・エフェクターでも十分に可能なので、
基本的には高音の劣化が少ないシールド選びが好ましいです。
例外的に重低音を重視する音楽ジャンルでは、アンプに届く前に高音をカットさせてしまうといった意図で
「低音を強調された=高音成分が失われてしまった」シールドを好んで使用しすプレイヤーもいらっしゃいます。
多少値段が上がってしまいますが、高音成が美しいシールドでおすすめなのは「EX-Pro」と「Providence」です。
安価なシールドでも練習に差支えはないので始めはそういったシールドを使用してもいいと思います。
しかし、決して手の届かない価格ではないと思うので上記のシールドを試してみる事を強くお勧めいたします。
音色の美しさが際立ち、気持ち良く弾けるので練習がはかどります。
2.チェックポイント
(1)必要本数を確認する
ギターからアンプへ直接接続する場合はシールドは1本で大丈夫なのですが、
その間にエフェクター等の機材が挟まると必要本数は増えていきますので、計画的に必要数を準備する事が好ましいです。
(2)長さを確認する
ライブ等で演奏する場合は5m以上の長さが必要になりますが、家内での練習には3mあれば十分です。
2m未満は練習しながら体勢を変えた時に引っ掛けてしまう事があるので注意が必要です。
シールドは長いほど音色が劣化し、価格が高くなります。
(3)末端の接続端子を確認する
末端が真っ直ぐなものをS型、直角に曲がっているものをL型と呼びます。
シールドは曲げると負担が掛かり、断線してしまいます。
まずアンプ側をL型にしとけば負担が無くなることが確実です。
また、座って弾く場合にシールドが床に当たるものもありますのでS/Lのシールドを持っておくと便利です。
L型プラグは数百円程高くなりますが断線させて再購入のリスクを考えればL型の選択が無難だと考えます。
3.おすすめシールドTOP3
(1)EX-Pro
元々はワイヤレス・シールドで有名なブランドだったのですが、最近では有線方式のシールドの評価も絶大です。
ワイヤレスで他メーカーに劣らない素晴らしい音色を作り出してきましたが、近年その最新技術を有線タイプのシールドにも施した逸品です。
「FLタイプが高級仕様」「FAタイプが超高級仕様」となっています。
(2)Providence
独自の実用性とアイディアをコンセプトに開発されたブランド。
ノイズを減らしてリアルで迫力のある音が出せるのが特徴。
「LE501タイプが廉価版」「LE210が高級仕様」となっています。
(3)CANARE
歴史のある国内プロ用オーディオ機材のメーカーで初心者ギタリストの定番、
価格の安さの割りに高品質で耐久性には定評があります。